九電 前原で送電線埋設へ 変電所計画 田園地帯 異例の対応
2009年12月25日 13:33
| カテゴリー:九州経済ニュース
九州電力(福岡市)が福岡県前原市の雷山ふもとの田園地帯に新変電所設置と地上に送電線を建設する計画で、同市の松本嶺男市長が送電線について平野部での地下埋設を申し入れていたことに対し、同社福岡支店の荒巻康博支店長は25日、松本市長に「平野部は地下埋設で行う」とする真部利応社長の回答を伝えた。
地中送電線は地上線に比べて事業コストが約5倍かかり、22万ボルトの高圧送電線地中化は同社では福岡市中心部など都市部のみで行われ、建物が密集していない農業地域では極めて異例。
同社によると、地下埋設するのは平野部の約4キロ。行政側の協力で公道の地下などを使い、コストを下げていく方針。
松本市長は申し入れで、地下埋設のほか「山林通過部分は景観に配慮した施設整備」「新変電所はJA糸島の直売所に隣接せず、できるだけコンパクトな規模」「施設整備後は電磁界測定を定期的に実施し、結果を公表する」なども求めていたが、同社はいずれも受け入れた。
同社は「地域の声としての申し入れを真摯(しんし)に受け止め、共存共栄の観点から、市と市長の全面協力が得られることを前提に、回答をした」としている。松本市長は地下埋設について「市民の熱い思い、願いが九電に届いたものと思う」と述べた。
計画を巡っては、地元住民が「霊峰・雷山の歴史豊かな景観が失われる」などと反対運動を展開。松本市長は「地元住民などから疑問や不満の声が絶えない」として今年10月、市が直接関与する法的権限がない中で、同社に対し、申し入れの形で異例の計画再検討を要請していた。
同社は、前原市を含む福岡都市圏西部地域の電力需要が2015年夏までに供給能力の限界に達すると想定。同年の運用開始予定で、同市波多江に22万ボルトの変電所を新設し、福岡市早良区の脊振変電所との約20キロの間に高さ約60メートルの鉄塔約60基を建て送電線でつなぐ計画を策定していた。
=2009/12/25付 西日本新聞夕刊=