IH応用、台に当て発熱 やけどしないアイロン 子供の事故心配、商品化へ 九電総研が開発
2008年12月22日 13:40
| カテゴリー:九州経済ニュース

九州電力総合研究所(福岡市)は、やけどの心配がない新型アイロンを開発した。調理器などに最近利用されている電磁誘導加熱(IH)技術を応用。具体的には、従来と違い、アイロン本体には熱源がなく、金属製のアイロン台が、アイロンと接した部分のみ発熱する。台には冷却用のファンを装備しており、アイロンを離すと、瞬時に台の温度は低下する。同研究所は、家電メーカーを通して商品化を目指す。
同研究所によると、IHは、電流が流れるコイルから発生する磁力によってIHに面する金属を発熱させる技術。IH調理器は、調理の際、調理器具が熱くならないため、高齢者などに安全性が評価され、急速に普及している。電力各社は、「オール電化」の中心家電としてPRしている。
同研究所はこの技術を応用し、小型化したコイルを内蔵するIHアイロンを試作。電流を通すボタンを押せば、2秒でアイロン台の温度が約120度に上昇。電流を止めると、台は、台裏側の冷却用ファンで3秒以内で約60度まで冷める。
消費電力は本体が300ワット、台が10ワット程度で1キロワット以上の通常のアイロンより省エネという。
同研究所の大熊康彦さん(31)が昨年春、知り合いの保育士から「園児がアイロンでやけどする事故が起きる」と相談され、開発を思い立った。
本体に熱源がないため、布に水蒸気を当てるスチーム機能が付けられないが、大熊さんは「霧噴きスプレーで代用すれば問題ない」とみる。
試作品の価格は約2万5000円。通常のアイロン(コードレスタイプ)で5000円程度と比べ、割高だが「量産化されれば、もっと安くなるはずだ」としている。
大手家電量販店の販売促進担当者は「電気代が安いのは大きな利点。商品化は価格がポイントになる」と指摘している。
=2008/12/22付 西日本新聞夕刊=