雇用、地域浮揚に期待 ダイハツ九州久留米工場稼働 エンジン21万基生産 車需要減 先行きに不透明感も
2008年08月30日 00:42
| カテゴリー:九州経済ニュース

ダイハツ九州(大分県中津市)は29日、エンジンを生産する久留米工場(福岡県久留米市)で竣工(しゅんこう)式を行った。ダイハツグループで34年ぶりとなるエンジン工場。地元では雇用創出や活性化に期待がかかるが、景気変調などを受けた自動車需要の減少があり、先行きには不透明感も漂う。 (経済部・吉田修平)
■輸送コスト半減
「世界ナンバーワンのエンジン工場を目指す」。29日、福岡県久留米市内で開かれた竣工披露宴で、同社の魚井和樹社長は晴れやかな表情を見せた。
約100億円をかけて同市田主丸町に建設したエンジン工場は今月から稼働を始めた。親会社のダイハツ工業(大阪府池田市)の竜王工場(滋賀県竜王町)に比べ、機械を小型化、工程数を減らし、効率化を実現。大分県中津市の自動車組立工場向けに、軽自動車用の660CCエンジンを年間21万6000基生産する。
これまで、竜王工場で生産したエンジンを船便で2日かけて運んでいたが、輸送時間は2時間半に短縮。輸送コストも約45%削減できるという。
■「関連」も相次ぎ
この日の会見で、ダイハツ工業の白水宏典会長は「大分で生産する分のエンジンは、基本的に久留米工場で造りたい」と述べ、久留米工場の増設の可能性を示唆した。増設となれば、従業員200人体制は増強される。
一帯には、トランスミッション製造の明石機械工業(兵庫県稲美町)、自動車向け産業機械の不二越(ふじこし)(富山市)など関連企業も相次いで進出予定。福岡県南の浮揚への期待は大きい。
国内の自動車販売は、燃料高などで減少傾向だが、ダイハツ九州の主力の軽自動車は堅調だ。同社は昨年12月に大分第2工場を稼働し、年産能力は46万台に倍増した。08年度の生産台数は前年を約4万台上回る33万台を見込む。
■「覚悟決め進出」
ただ、自動車業界全体の先行きには、不透明感が増しつつある。
米国向けの生産が6割を占めるトヨタ自動車九州(福岡県宮若市)は、米サブプライムローン住宅問題や燃料高による米国の景気変調を受け、今月から減産体制に入った。6月と8月の2回に分け、派遣社員800人の契約を解除した。
ダイハツ九州の場合は、生産台数(07年度は29万2000台)の約8割が国内向けで、好調な軽自動車が主力とはいえ、景気の後退や若者の車離れもあり、自動車需要そのものが減少していくと指摘する声もある。
この日、ダイハツ工業の白水会長は「覚悟を決めて久留米に進出した」と述べた。
=2008/08/30付 西日本新聞朝刊=